第11章

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体のバランスを崩した彼女を見逃さず、咲羅は攻撃を放つ。 先行してくる右腕に触れぬよう、彼は背後の光輪から8つの槍を再び作り出し、未来に差し向けたのだ。 慣性は未来の体を大きく傾かせ、咲羅の攻撃を回避できなくさせようとしてくる。 彼女は自ら咲羅の槍に飛び込むような形となるが、しかし。 「んもぅっ! あぶないなぁっ!!」 とっさに発動した強制移動魔法が未来の体を強制ターン。咲羅に向かって左側面から、背後へと高速で回り込んだ。 「っ!」 咲羅は地を蹴って正面へ跳び出すと、未来が腕を振ったのだろう、背中に強烈な風圧が触れてきた。 わずかな恐怖を得つつも、咲羅は振り向きながら着地。光輪から魔法陣を作り出し、周囲の空間にならべると、細かな光の弾丸を作り出した。 すぐには放たれず滞空する無数の弾丸。その総数500。艦橋という限られた空間に展開するそれは、まるで壁のような凶器の集合。
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