第11章

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大量の空気を取り込みながら魔眼が形成する術式は、 “──……重力魔法?” 部屋中の霧が集められると、それらは不自然な動きで地面にたたき付けられて消失。 その代わりというように、黒く波打った魔力兵装と、光の線だけで表現された無数の立方体を展開した。 「それは……!?」 咲羅はそれに見覚えがあった。 真琴たちが流歌の確保に向かった際、流歌が発動していた固有術式だ。 “僕の術式を吸収して重力魔法……? 僕の魔法に重力魔法の要素はないんだけどな” 漆黒の光の中、浅く俯いて立つ未来は片手を真横に上げた。 それを合図として、周囲の立方体が回転しはじめた。 徐々に速度をあげるそれらは直接咲羅に向かうことはなかったが、 「行っくよぉ!!? さっちゃん先輩!!」 未来が爛々と輝く瞳を、強い笑みとともに見せ付けた次の瞬間。 まるでガトリング砲のような勢いで重力源が放たれはじめた。 「な……ァッ!!?」 そのあまりに無茶苦茶な威力の高さに、咲羅は目を見開いた。 それに飲み込まれないよう、彼は急ぎ回避を始めた。
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