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先ほど未来に見えない障害を破られた理由は、咲羅の神格化に対し、未来の武装神格化が並び立ってきたことによる。
つまりあの障害が概念的な否定の証明だったのだが、咲羅と同格になった未来はそれを力技でブチ抜いてきたのだ。
しかし、腕の押し付けのみで破られてしまう程度の障害が、あの重力射撃に破られないはずがない。
「相変わらず規格外だね君は……ッ!!」
「褒めてくれてありがとぉっ!」
無茶苦茶だ。 咲羅は素直にそう思う。
いかに最強の魔眼と言えど、何故ここまで他の魔眼を圧倒できるのか疑問に思うほど、未来の攻撃は一方的だった。
重力射撃の一撃一撃は特殊鉄鋼で作られた壁面を易々とブチ抜いてくる。
その威力が嵐のように咲羅を襲っているのだ。
360度と呼ぶのもおこがましい、ありとあらゆる方向から襲い来る攻撃を咲羅は必死に避けつづけていく。
それに追い打ちをかけるように、未来が楽しげな叫びを上げた。
「いいのぉ、さっちゃん先輩!? そんなに受け身でいいのかなぁ!!?」
砲撃に一瞬の隙が生まれる。咲羅は思わず息を付きそうになったが、すぐさま槍を手に防御の構えをとった。
「ぐぅッ!!」
未来が弾丸のごとき勢いで突っ込んで来たのだ。
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