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第一から第七まである、東京都立高等学校の戦争部によるクーデターから、一週間。
クーデターによる革命が起きても、日本人の反応は実に様々だった。
「これは学生による国家への反逆だ! 断固許してはならん!!」
強い反感を見せる、老齢の人々。
「確かにマズイとは思うけどねぇ……今のところ実害はないし」
家庭を守らねばならない中年代は、静観を貫いている。
「えぇー……どっちでも良くない? 別に今の暮らしは変わんねーってアイツ言ってるし」
国政に興味を示さない若者たちは、このクーデターを楽しんですらいた。
クーデターの首謀者である獅堂咲羅は、支配する以前の司法、立法、行政の三権を、暫定的に続行することを決めた。
しかし、その三権の最終決定に対し、咲羅が介入できる『否決権』を彼が持つことで、表向きは民主主義を保ちながらも、明確な独裁態勢を築いたのである。
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