進展

3/8
前へ
/19ページ
次へ
気づくと私は、自分の机に両肘をつき、社会科教師に向かって拝みながら、キラキラと輝いた眼差しを彼…先生に向けていた。 「どうした…山本…」 しまった…声に漏れそうに、そう叫んだ時はもう遅かった。 クラスメートからの痛い視線と笑い。私の肩は少しずつ萎んで行き、「すいません…」と恥ずかしそうに言うのが精一杯だった。 「山本なあ、恋愛ごっこもいいが、しっかり学校にも来いよ」 どいつもこいつも…探偵ごっこ、恋愛ごっこって…私の人生、全て遊びか? 違うだろ…もう、ごっこなんて言わせない…探偵も恋愛も、真剣に取り組んでやるよ。もう遊びだなんか言えないように。 切り忘れた爪が手のひらに食い込んで痛かった。 その痛みも忘れ、私は決めた、探偵も恋愛も… 私は小さな声で、自分に言い聞かせるように呟いた。 「やってやる…」
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加