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気づくと私は、自分の机に両肘をつき、社会科教師に向かって拝みながら、キラキラと輝いた眼差しを彼…先生に向けていた。
「どうした…山本…」
しまった…声に漏れそうに、そう叫んだ時はもう遅かった。
クラスメートからの痛い視線と笑い。私の肩は少しずつ萎んで行き、「すいません…」と恥ずかしそうに言うのが精一杯だった。
「山本なあ、恋愛ごっこもいいが、しっかり学校にも来いよ」
どいつもこいつも…探偵ごっこ、恋愛ごっこって…私の人生、全て遊びか?
違うだろ…もう、ごっこなんて言わせない…探偵も恋愛も、真剣に取り組んでやるよ。もう遊びだなんか言えないように。
切り忘れた爪が手のひらに食い込んで痛かった。
その痛みも忘れ、私は決めた、探偵も恋愛も…
私は小さな声で、自分に言い聞かせるように呟いた。
「やってやる…」
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