終わりを告げた純粋

2/2

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
 激情が激情を呼び、また激情を生む。少年の心は殺意に満ちあふれていた。  いわれのない誹謗中傷に耐えられる少年などいない。いるとすればそれは少年の姿をした大人だ。  俺はは正常である。憎しみに向かって自分を表現することに、なんのためらいも持とうとしない今の姿は、人間の本能を忠実に則った美しい姿なのだ。  こんな俺を生み出したのは親なのだ。そして全ての環境によってこの俺が作り出されたのだ。壊してやる。俺を取り巻くすべての環境を。  邪魔者は皆殺しだ。  悪に満ちた人間ほど、目的を遂行する意志の強さがある。少年もまた、そんな悪の魔力ともいえる実行力の高さに酔い始めていた。  彼はゲームセンターに向かった。これから同級生を殺すために。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加