プロローグ

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少女は、強い眼差しを向けて僕を見つめている。 その瞳は周りに灯されている炎のように赤かった。 連続的に轟音を轟かせる爆音、さらにそれに伴うほどの風が彼女の銀色に輝く髪を揺らす。 しかし、それに動じることはない。 瞬きもせずに僕の視線をつかみ取るように見つめ、こう言うのだ。 「お願い……どうか、みんなを救って。」 そして彼女は黒い箱のような物を手に握らせ、小さく愛らしい手の小指を差し出してくる。 「約束だよ……みんな待っているから……」 僕は首を深々と上下に振り、彼女の小指に結び付けるように自分の小指を絡める。 だが、数秒程でその指を離した。 足音が聞こえたのだ。 重い装備をもって一歩一歩が圧力を感じさせる特殊ブーツ特有の鈍い足音。 次第にその音は近付いてきている。 僕は立ち上がり、座り込んだままの少女に向けて誓いを立てた。 「必ず……必ず助けに行くから、だから、待ってて!」 そう言って柔らかい土を蹴り飛ばし、必死に走った。 ...
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