1章.パンドラの匣

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2063年、日本以外の各国を植民地とし、全ての資源を大和帝国が独占、管理。 気づけばあの弱小国と僻まれてきた日本がいまや世界のたった一つの国として功を奏していた。 いずれ大和国民は勝者として成り立ち、世界は屈されることとなる。 日本のころとは思えないほどに豊かになった大和帝国、当初大和に反していた日本国民も既にいなくなり、大和は平和となった。 だがそれと対象に、この大和帝国に恨みを持つ者は少なくはなかった。 植民地となった国からは毎日のようにテロリズムが起こり、それをハエを払うかのように処理する大和帝国。 それもそのはず、大和は平和になったにもかかわらず武力開発を怠わる事はなかった。それは管領大臣、山本雅史の方針であり。平和を存続させるには力も日々存続させなければならないと、そういうものだったからだ。 時が経つにつれ、植民地となった国のテロリズムの力は減少していき、逆に大和帝国は強大化する一方。 これで名実共に、大和帝国に敵は存在しなくなったのだった。 だがこの時はまだ気づかない。 他国ではなく、大和帝国に、日本の亡霊が存在していることに。 ...
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