1章.パンドラの匣

6/50
前へ
/52ページ
次へ
――――――――――― ――――――――― ――――――― この国は、軍、政府、国民の3つの順次で成り立っている。 一番偉いのがこの国を守っている軍、そして政体を安定させる政府、最後に国民だ。 たまに、そんな順番に不満を覚えるが、そんなことで国に反しては国家反逆罪で起訴される。 確かに、この国は豊かだ。17年しか生きていない若造にも良くわかるぐらいに安定して平和な国だろう。俺が生まれた頃の日本という国はなんでも、不況だったらしい。 高校の学費は負担させられ、働いた給料からは税だと言われていくらか取られ。 そんなの今の大和じゃありえない事だ。犯罪も多かったようだ。 そう、昔の日本なんかと大和じゃ比べ物にならない。 でもなぜだろうか。 そう思ってはいても、俺は大和帝国という国を信用できなかった。 「なぁ、聞いたか?渋谷で爆破テロがあったらしいぜ!」 「え~、渋谷って結構近いじゃん。大丈夫なの~?」 「あぁ、死亡者はいなかったらしいけど負傷者は多数だって」 「まじ~、ホンっとテロリストとか死ねばいいのに~」 「まぁまぁ、何もない日常よりちょっとぐらいの刺激があったほうが楽しいだろ?ただでさえ俺たちは“勝ち組”で暇なんだからよ~」
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加