魔法使い、客を迎える

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『一晩よーく考えろ。あいつと寝るんだろ?』 一緒に『寝て』いるのではない。 ただ同じ場所で『眠って』いるのだ。 だが、ジグの言葉に込められた意味はイライにもわかった。 はっきりと意識したことはない。 それでも、首筋や唇を舐められると、嫌悪感だけではない感覚に体が震えることを知られないように隠していた。 同じ寝床で、アスールに「大丈夫」と囁かれると、心が満たされて温かくなる。 ーー自分にとってアスールはーー イライは、気持ちの整理がつかないまま、洞窟に戻った。
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