10306人が本棚に入れています
本棚に追加
/800ページ
「な、何でもないんだ!俺は平気だから・・・!」
アスールの手を降りきって、袖を下ろして隠す。
今更だが、アスールの目に晒していたくはなかった。
「・・・・・・ここから出たいですか?」
イライの肩が、ピクッと揺れた。
アスールは、口調を荒げることなく続けた。
「もし君が望むなら、私自身が君を行きたい場所へ送っていきます。」
「ち、違っ・・・!」
「私は、期限付きの契約だと言ったはずです。初めから、君をいつまでもここに縛り付けるつもりはありませんでした。」
「・・・!!」
イライは、妖術使いと戦うことと引き換えに、アスールと契約を結んだ時のことを思い出した。
最初のコメントを投稿しよう!