魔法使い、客を迎える

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『期限付きで君が私のものになる』 アスールは、確かにそう言っていた。 「期限というのは、君が人間の社会に戻っても十分生きていけるだけの知識と技能を身に付けるまでのことです。」 「え・・・」 「薬草の知識と妖魔妖獣への対処の仕方、読み書きと計算、他にも魔法は使えなくても魔法に関する知識も君に教えていますよね?それらを身に付ければ、どこに行っても君は頼りにされ歓迎されるでしょう。 ですが、出会ったばかりの君は、生計を立てる術をもたなかった。 だから、一人で生きていけるようになるまで、それまではここにいてください。」 「あんた・・・そんなこと考えてたんだ・・・馬鹿・・・何で言ってくれなかったんだよ・・・俺、ちっとも知らなくて・・・」 契約に隠された意味を知り、イライは胸が締め付けられた。
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