魔法使い、客を迎える

48/51
10306人が本棚に入れています
本棚に追加
/800ページ
「おーや、私が勝手に決めたことですからね。君は気にしちゃいけません。私は、好き勝手にやってるだけなんですよ。」 その夜、二人はいつものように一つの寝床に入った。 アスールは、必ずイライの方を向いて眠る。 目を閉じても、アスールの美しい容貌に遜色はなかった。 翡翠の瞳が見えない代わりに、長い睫毛が優美に目元を飾る。 通った鼻筋や形の整った薄い唇も、イライがこの世で会った誰よりも美しかった。 それを見ているのは世界で自分一人なのだと思うと、イライは鼓動が早くなるのを感じた。
/800ページ

最初のコメントを投稿しよう!