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「おーや、私が勝手に決めたことですからね。君は気にしちゃいけません。私は、好き勝手にやってるだけなんですよ。」
その夜、二人はいつものように一つの寝床に入った。
アスールは、必ずイライの方を向いて眠る。
目を閉じても、アスールの美しい容貌に遜色はなかった。
翡翠の瞳が見えない代わりに、長い睫毛が優美に目元を飾る。
通った鼻筋や形の整った薄い唇も、イライがこの世で会った誰よりも美しかった。
それを見ているのは世界で自分一人なのだと思うと、イライは鼓動が早くなるのを感じた。
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