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「うん・・・ここに橋がかかっていて、森を抜けて北に行ったら村がある。」
「わかりました。距離としては・・・んー・・・夕刻までには着けると思います。君さえ速く歩ければ。」
「歩ける!」
傷がまだ癒えていないとはいえ、辺境の村で生活し、使いで近隣の村々への使いもしていたイライは自分の脚にそれなりの自信があった。
しかも、アスールは魔法使いである。
肉体労働に不向きな職業だし、実際体は筋肉質には見えない。
「おや、それは楽しみですねえ。では、行きましょうか。足、出してください。」
「え?」
何をしようとしているのかわからないイライの前に、アスールが何かの獣の革をなめしたものを出してきた。
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