魔法使い、拾う

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「君は裸足でしたから。逃げる時に脱げたんですか?それとも川で?ともかく、裸足で森を歩くのは自殺行為ですよ。」 妖魔の森の植物もまた、生き残るための自衛の武器を有していた。 それは毒であったり、棘であったり、捕らえたものを溶かす消化液であったり。 森を歩くということは、妖魔や妖獣だけでなく、周囲の木々や足元の草にまで注意をしなければならないということだった。 アスールは、革をイライの足に当てておおよその寸法を見ると、小さなナイフで器用に切り、革紐をつけた。 「少し待ってくださいね。もう片方も作りますから。」 「あ、ありがとう・・・」 冷淡な対応を知っているだけに、アスールに優しくされると何となく居心地が悪かった。
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