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そんなイライの動揺が伝わったのか、アスールがにっこり微笑む。
「君は私のものですから。私は、自分のものは丁寧に扱うんです。長持ちするように。」
「・・・・・・俺、物扱い?」
相変わらず、うっとりするほどの美しい笑顔で毒を吐く。
イライは、複雑な気分だった。
「さあ、できましたよ。ほら、ピッタリ。では、行きましょうか。」
イライの足に簡素な靴を当てると、アスールは小さな包みと杖を手に取った。
こうして二人は、洞窟を後にした。
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