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「ありがとう、イライ。」
初めてキャスリンから名前を呼ばれた。
相手はずっと年上だと分かっていても、目の前にいるのは美少女だ。
イライは、赤くなった。
「や、その、俺は別に、てか、手なんか握られると、ジグに怒られるから。」
「あんな浮気者のへっぽこ亭主、怖くなんかあるものか。」
ジグが唯一メロメロで頭が上がらないのが、このキャスリンだ。
何せ、出会いがジグの彼女の臀部へのセクハラと、それに対する彼女の拳による制裁だったのだから。
小柄な彼女が炎の賢者へ、何の遠慮もなく拳を振り切ったその度胸ときっぷのよさに、ジグが拝み倒して結婚してもらった愛妻なのだ。
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