魔法使い、選択する

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回りを見渡したアスールは、ただ一人、有益な情報をもたらせてくれる友人と視線を合わせた。 「あなたが調べたことを教えてください。ジグ。」 「ベルの居場所は突き止めた。」 ジグだった。 犯罪者の汚名を覚悟でレイゼルを出奔したふりをして世界中を回り、情報を集め続けた。 特に破滅の兆候が現れてからは、かなり無理なことをしたに違いない。 それでも、彼は止まらなかった。 「さだめの子」に生まれついた、自分より年若い魔法使い一人に重荷を背負わせないーーその決意を、身をもって示してきたのだ。 ジグの言葉に、アスールは頷いて続きを促した。
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