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「それはただ傷つけるだけの力だろ、人を守れない力何か持ってたって意味ないだろ」
あの戦いで俺は……大切な仲間、恋人を……姉さんを……鎧も……全て失った。
「まぁとにかく俺より立派な奴は沢山いるだろ、転生させて世界を救ってほしいならそいつに頼んでくれ」
『…………分かった、そうしょう』
「分かってくれて助かったよ、で、どうやって帰れんの?」
『あの扉を潜れば、元の世界に帰れるだろう』
指差した方に目をやると何時の間にやら茶色のドアがあった。なんで一般家庭にありそうなドアなんだよ。
まぁいいか、この扉を潜れば帰れる。そうすればあの黄金騎士と二度と顔を合わせずにすむ。
今はただ帰れる喜びに浸ろう。
「じゃあな、転生物語の主役は俺には無理だわ」
『ああ、別の人間にしておこう。さらばだ、神風攻也』
「ああ、さらばだ神様」
手を振った後扉を開けた途端に意識が闇にのまれた。
『あの世界を頼むぞ、神風攻也』
管理者がそう言った後、攻也は姿を消したのだった。
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