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『助けて』―――!!!
リィン………
………
……
ざわざわと揺れる木々に紛れて、誰かに呼ばれた気がして゛彼女゛は振り返る。
しかし、そこには誰もいない。
流れる風と、大気はいつもと同じ筈なのに、何故か胸がざわめく。
(………気のせいかな)
歩みを進めようと視線を前にやる。
その横をスッ、と゛何か゛が通り過ぎて行く。
淡い桃色をした影。
フワフワと飛ぶ何か。
透き通るカラダで、くすくすと笑う。
その背には四枚の羽。
それは、「精霊」
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