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「なんで泣いてるとぉ。」
クラスメイトから事情を聞いているはずのN先生の言葉にM少年は
「知ってるやろ。」
強い口調になってしまった。
全ての事をN先生に話すと
「辛いねぇ、ちょっとみんなに話すから教室に戻ろう。」
N先生の言葉が非常に嬉しかった。
教室に戻るとみんなが睨みつけるように見ていた。
N先生はM少年が言った事をみんなに話して聞かせ犯人がいないかを問いかけるとみんな無言を貫く。
M少年の心は怒りと憎しみに染まっていた。
今までマジンガンのように口撃していたクラスメイトが犯人の話になると黙り込む、卑怯だし知ってるなら正直に言って欲しい気持ちがあったからだ。
すると先生が大胆な行動に出る。
机の上に財布の中身を全てさらし
「盗るなら盗れM君とUちゃんはそれくらい傷ついちょるとよ、Uちゃんの味方ばっかりしちょらんで少しはM君の気持ち分かってやってもいいっちゃねぇと。」
M少年もびっくりする口調だった。
今まで優しく接してきたN先生が初めて本気で怒った瞬間でもあった。
それからは何人かが味方についたが正直嬉しくない。
先生に言われたから感があったからだ。
Uちゃんとも不仲になりクラスメイトとの溝が深まってしまった。
次の日の体育、またやられるかもしれないと思ったM少年はみんなと一緒に教室を出た。
授業を終えトイレに入って教室に戻ったM少年は泣きそうになる。
またパンツだけがない。
自力で探して回ると掃除用具箱の中に入っていた。
その瞬間、怒り狂ったM少年は机を蹴り上げ暴れ回った。
この日からM少年は極度の人間不信及び人見知りになったのだった。
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