家族

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真琴が、いよいよ運転免許試験を受けるばかりとなった頃、桂から連絡が入った。 オレの足のギプスも取れ、車の運転に支障がない所まで回復したし、どうにか準備は整った。 文化祭当日、やっと皆から解放され、目的の場所を目指した。 「真琴を連れてきたら、案内したかった場所があるんだ」 施設の渡り廊下。 そこは、真琴の母親と出会った場所。 「素敵……」 ステンドグラスから射し込む光が、優しく真琴を包む。 「ボクの代わりに、母さんが尊を見付けてくれたんだね」 「そうだな…」 心を落ち着かせる為に、深く深呼吸をした。 真琴とオレの未来の為に考えた事を、真琴に伝えるんだ。 「真琴、オレと…家族にならないか?」 「……えっ…?」 「恋人じゃなくて、オレの生涯のパートナーに……家族になって欲しい」 真琴の手を引き、礼拝堂のドアを入る。 「わぁ~素敵」 礼拝堂に入ると、この場の雰囲気に真琴が感嘆の声をあげた。 真琴に向き直り、誓いの言葉を捧げる。 「オレは、真琴を伴侶として、一生涯愛し続ける事を誓う」 真琴の瞳から、真珠のような涙が溢れ落ち、美しさに魅入られずにはいられない。 「ボクも…尊を、一生涯…愛し…続…ける事…を誓い…ます」 愛しさが、オレを満たしていた。 .
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