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「辛いなら―」「ダメ!! みんなわざわざ待っててくれるのに…」
「それでもオレは……真琴の方が心配だよ」
「もう大丈夫。ちょっと不安になっちゃっただけだから――」
「不安?」
「ボクは、尊のパートナーとして…受け入れて貰えるか…とか、ボクで本当に良かったのかな…とか…」
尊が少し眉をひそめ、難しい顔をした。
路肩に停めたままの車を再スタートさせると、方向を変えてホテルに入っていく。
「尊?」
「………」
尊は考え事をしているのか、聞こえていないみたい。
ボクは尊の手をきつく握る。
「何か、怒ってる?」
「あ、いや…怒ってる訳じゃないよ」
ボクに、すまなそうに苦笑いを見せた。
手を引かれて部屋に入りドアをロックすると、ボクを抱き上げベッドに運ぶ。
ボクを組み伏し、貪るように口付ける。
尊が、いつもと違って、何か――焦っているように感じた。
「たけ…る…」
尊だって、当たり前だけど緊張してるんだよね。
ある意味、ボクより緊張するし不安だよね。
「オレのパートナーは、真琴だけだ。誰に何を言われても、真琴しか要らない」
尊の甘い囁きに、何も考えられなくなる。
不安を払拭したくて、お互いの熱を求め合った。
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