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「あの、えっと…施設の…礼拝堂で」「わ~っ、そこまで!!」
お袋の勢いに、全てを暴露されそうで、思わず割って入った。
「あの礼拝堂? 尊ってロマンチスト~」
遥がニヤニヤ顔でオレを見る。
あーっ、もう…スイッチの入った女達の勢いは、止められそうになかった。
賑やかな――心穏やかな夜になった。
大勢での食事を終え、用意された部屋に入る。
そこは以前、オレの部屋だった所だ。
真琴がオレの後から入って来て、小さな溜め息を漏らした。
「疲れたか?」
「フフッ、少しだけ…」
小さい微笑みに、安堵した様子が伺える。
やんわり抱き締めた所で、ドアがノックされた。
「尊、お風呂空いたわよ」
遥の声にドアを開ける。
「兄貴達を言いくるめてくれたの、遥か?」
「もちろん頑張ったわよ。
でも、優とお母さんの頑張りったら…凄かったわよ。
お母さんをその気にさせたのは優だけどね」
「優には大きな借りが出来たな」
真琴がいなくなった時も、優に助けられたしな。
「そうだ!優が真琴君とお風呂入りたいんだって」
実家の風呂に、二人で入るのは…何だか、変に意識してしまうし、真琴は優と入った方が良いだろう。
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