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「尊はママと違って、こう言うの鈍いから、はっきり好きだって判るようにアピールしないと気が付かないよ」
「………」
どう対応したものか解らなくなっていた。
「あのね…ボクは男だよ?」
「知ってるよ。でも、好きだろ?」
優君の笑顔。
「おれは尊が好きだぜ」
五歳児の優君が、真剣に(ボクが考えてる)好きかという意味で、返事を求めている訳ではないだろう。
LOVEではなく、LIKEと言う意味だと。
「そうだね…大槻さんはとても良い人だね」
「好きだろ?」
良い返事を期待する目
「………好きだよ」
あまりにも可愛らしくて、優君ににこやかに微笑んでいた。
優君は顔を紅くしてボクを見た。
「お兄ちゃん…キレイ」
優君の笑顔がこそばゆい。
「ありがとう」
「なぁ、お兄ちゃん 尊がダメならおれと付き合おうぜ!!」
ボクは思わず苦笑した。
「君は逞しいね」
「男は逞しくなくちゃ!」
ボクはすっかり優君が好きになっていた。
………………………………………
オレの所に二人が来てから二週間がたとうとしていた。
リフォームが早く終了したと、連絡が入った。
遥親子が住むために、養父母の大槻宅の傍にかなり古い家を買って、使えるように工事していたのだ。
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