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予定では 二ヶ月かかるはずだったが、随分早かったので親父に聞いてみると、何て事ない…
「早く優に来て欲しい」と言われた。
あの親父が随分と丸くなったものだ…
確かに、優の存在は心を和ませる。
当の優はと言うと…今日も隣に出掛けている。
毎日毎日通いつめている。
一日のほとんどを真琴と過ごしている。
羨ましいかぎりだ。
「尊、ぼやぼやしてると、トンビに油揚げだよ」
遥にからかわれるが、確かに優に嫉妬すら感じる。
あの佐倉真琴が微笑んでいる。
作り笑いじゃない、本物の笑顔。
でも、優のお陰(?)で、良いこともあった。
佐倉がオレを、名前で呼ぶようになったこと。
大槻さん…では、三人共返事をしてしまうから。
それも、遥と優が共謀していたようで、佐倉にオレの名前を呼ばせる為、わざと返事をしていたようだ。
オレは何と呼ばれても構わなかったのだが、『尊さん』と呼ばれた時は、密かに動揺した。
胸の鼓動がうるさいくらいで、彼にバレないか気が気じゃなかった。
嬉しかった。
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