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買い出しに行こうかと隣に声を掛けに行ったのだが、玄関に出てきた佐倉はフラフラだった。
ここ二日位、体調がスッキリせずにいたが、今朝から少し熱っぽいとのことだった。
明日からの天気を考えると不安になった。
「今の内に医者に診て貰っておこうか?」
「…うん。悪いけどお願いするね」
壁に寄り掛かり、紅い顔して申し訳なさそうにしている。
「病人は変な気を遣わなくて良いから。身体の心配してれば良いの」
佐倉のオデコを軽くつついた。
そのオデコが思いの外熱い。
「待ってろ」
急いで車を取りに戻った。
車を佐倉の家の庭に停めて迎えに行くと、佐倉は玄関の床に座り込んでいた。
「大丈夫か?」
「うん…ちょっと…目眩がしただけ…」
オレの差し出した手を取り、立ち上がろうとしてふらつく。
オレは身体を引き寄せ、抱き抱えるようにした。
その身体はびっくりする程熱い。
佐倉の身体は想像していたよりも細く儚げだった。
くた~っと佐倉がもたれ掛かるように身体を預けて来た。
熱を帯びて、とろーんとした眼差しでオレを見ている。
熱のせいだと分かっていても、オレの心臓がドキドキとうるさく存在を主張していた。
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