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件名:殺してみませんか
人を殺してみたいと思ったことはありませんか?
――いえ、言い方が間違っていましたね。
あなたはそう考えたことがあるはずです。
衝動的にでも、胸の奥に巣くうような抑制的なものだとしても、一度くらいあるでしょう。
でなければこれを見ているわけがないのですから。
警察に捕まったら? 罪悪感? そんなことは考えなくてもいいのです。
僕を――殺してみませんか?
殺されてもいいのかなどという、僕に対する心配は必要ありません。
そんなことは愚問です。僕の心情なんてどうだっていいのです。
ただ、あなたの欲望を満たしてあげるという、それだけのことなのです。
罪のない人の命を奪ったという罪悪感に見舞われるよりも、同意の上で殺したほうがあなたも随分と気が楽でしょう?
場所も道具もシチュエーションも、何もかもこちらで用意させていただきます。
あなたは、あなたの中にある「殺意」だけを温めておけばいいのです。
さあ、前置きはこれくらいにしておきましょう。
決断を急ぐことはありません。
説明を聞きながら、じっくりと考えてみてください。
僕の殺し方の一例をお教えいたしましょう。
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