恋の始まり

2/7
前へ
/19ページ
次へ
あれは、とても暑い夏の日だった。 私はいつものように、学校へと向かって歩いていた。 「暑いぃ~…。天気予報でも、気温が36度って言ってたしなぁ~…。」 私、鈴嶺麻琴は暑さのあまり、口に出してしまった。 でも、もうすぐで夏休み、学校に行かなくていいのは嬉しいが、クラスの友達と会えなくなると…。 そう考えると、胸が痛んだ。 「あっ、麻琴!おはよ~!」 「沙羅!おはよっ!」 この子は如月沙羅。私の親友。 過去に、男性にトラウマがあるらしい…。 でも私と一緒だと平気みたい。 「教室、行こっ!」 「うんっ!」 私と沙羅が教室で話していると、勢いよくドアが開いたとおもうと、いきなり大きな声がクラスに響いた。 「おはよー!皆!!」 今入っていたのは、クラスの人気者の橘 直人。まぁ、私はうるさい奴としか思わないんだけど…。 「よっ、麻琴!」 直人は私達の前に居た。私がボーッとしてる間にこっちに来たんだろう。 「よ、よぅ…」 「沙羅ちゃんも、おはよっ!」 「おっ、おはようございますっ。」 「でさー、麻琴。元気ないじゃん?何かあったらさ。俺に言えよ?」 「だっ、誰があんたなんかに言うかよっ!お前は一時間目の準備でもしてろ。」 「へいへい…。わかりましたよ…。」 直人は、麻琴の言葉がきつかったせいだろうか、少し元気無さそうにして自分の席につく。 「でもさー、麻琴と橘くんって、仲良いよね。」 「ど、どこがっ?」 「橘くんって麻琴以外、呼び捨てで呼ばないじゃない?」 「あ、まぁ、言われてみれば…」 沙羅に言われるまで気付かなかったけど、何でなんだろう…?
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加