盗人と知者の相は同じ

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音のしたほうに目を向けると羽鳥が床に倒れていた 千秋以上に呼吸が荒く、苦しそうだった 「と…り…」 擦れた声で千秋は羽鳥を呼ぶが羽鳥は目をあけない 「と…………り…!」 「千秋は、なんで俺を見てくれないの?」 千秋がもう一度羽鳥を呼んだ時 いつのまにか柳瀬が千秋の横にいた 「ゆ…ぅ…」 「…なぁ、千秋」 柳瀬は千秋の顎を くいっ、と斜め上にあげる 柳瀬の目は、憎しみに汚れた色だった
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