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千秋が目を覚ますとまず最初に白い天井が見えた
横を見ると、自分の手に点滴の針が刺さっている
窓があって外を見たら、もう月が見えていた
「やっとお目覚めになりましたか」
ドアの開く音と女性の声が聞えた
女性は看護服を着ている事から、ようやく千秋は此処が病院だと分かった
「吉野さん。身体におかしいと感じる場所はありますか?」
看護師は気持ちの無い笑顔を浮かべながら千秋に近づいてきた
「えと…少し頭がボーッとします」
「多分薬の所為ですね。少ししたら治まると思います」
「はい…」
チッチッチッチッチッ
時計の秒針の音が大きく聞えた
ふと千秋はある事に気付いた
「あの…」
「はい?」
「ト…羽鳥芳雪はいますか?」
急に看護師の表情が曇った
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