盗人と知者の相は同じ

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日曜日の午前 吉川 千春というペンネームで大人気漫画を生み出している超大人気漫画家、吉野 千秋は〆切の日までまだあるからと、ソファーでゴロゴロしていた 「………暇だなぁ」 「暇ならネームの一つでも書いたらどうだ?」 「うっ……」 千秋に釘を刺したのは、吉川 千春の担当編集者、羽鳥 芳雪。 2人は仕事の関係があり、幼なじみという関係もあり、そして、恋人という関係もあった 「だって…なんにも思いつかないんだもん」 「なら、部屋の片付けをしたらどうだ?漫画が床に散らばっている」 「はー…はいはい、やりますよ」 千秋はよいしょっと立ち上がり千鳥足で部屋に向かう 「ったく…ホント五月蝿いよな…」 部屋のドアノブを掴んでガチャガチャとひねりドアを開ける 「……トリの言うとおりかも…」 自分の部屋をみた千秋は唖然とした (一体俺はなにを考えて散らかしたんだ…) 何時も掃除洗濯などをしてくれる羽鳥を改めて感謝する
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