盗人と知者の相は同じ

4/10
前へ
/37ページ
次へ
一時間掛かってようやく部屋がすべて片付いた 「…どうして二十畳の部屋を掃除するより時間が掛かるんだ…?」 「ま、まぁまぁ…」 毎月の校了があけてのお説教 いつものお説教 年末のお説教 これ以上のお説教されたら千秋の身が持たない… 必死で羽鳥を抑えようとする 「そうだ!昨日ケーキ買ってきたんだよ!食べようぜ!!」 「…勝手に喰え」 「冷たい事言うなよ。俺が準備するから!!」 千秋は羽鳥の腕を掴み、強制的に台所の椅子に座らせる 千秋は冷蔵庫の奥の方にある箱を取り出して、ケーキをお皿に乗せる …ここまでは良かった 「あ、お茶もいるな」 コンロの上にあったヤカンに水を入れる そしてお茶っ葉(紅茶)は袋に入っているタイプではなく、葉がそのまま缶に入っているタイプであった 「……どうするんだっけ?」 ここしばらくお茶など入れたことの無い千秋 普通なら市販のお茶っ葉袋に入れて沸かしたりするのだが、そんな事をすっかり忘れている千秋 「……入れればいっか」 火にもかけていない水に葉を豪快に入れる そして強火で沸かす 「よし!」 と、達成感を味わっている千秋の所に ピンポーン…… 来客の知らせが聞こえてきた
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

86人が本棚に入れています
本棚に追加