110人が本棚に入れています
本棚に追加
気分転換も兼ねてと、本屋に立ち寄った。
「あ、珠樹じゃん」
これまた知っている声がしたと思い見れば、部活帰りの敦がいた。手には漫画が握られている。
「よっ、部活お疲れ。」
自分なりに笑顔で言った。
つもりだったが、どうやら敦には解ってしまったみたいだった。
「何か、あったのか?」
いつもの陽気で明るい敦では無く、真剣な表情で問いかけられた。
「別に、何でもないよ」
「俺達の中で、隠し事は無しだろ。」
じっと見詰めてくる敦の顔は試合に見せるのとは違く、心配と寂しさを含んでいるようにもみえた。
.
最初のコメントを投稿しよう!