―第1章―記憶喪失

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「誰って…覚えてない?」 衝撃的な言葉は自分の胸を刻むように、何回もリピートした。 呼吸が上手く出来ていないような気がする。 「覚えてないって…お前と俺は初対面だろ?」 首を捻りながら問いかけてくる臣は、一体何を言っているんだとばかりに冷たい視線を送ってくる。 沈黙だけが流れていればスライド式のドアが開いた。 目を向ければそこには利人先輩と健先輩の姿があった。 片手に豪勢な花束を持って。 「健、利人…」 ポツリと呟いた臣は目を輝かせていた。 .
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