序章「幸せの歌」

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朝、鳥の囀りを聞いて目が覚める。 そして横を見ると無表情な義姉が正座してこちらを見下ろしていた。 別に、 「早く起きなさい、馬鹿!!」 とか、 「弟くん、早く起きてよぉ……。」 等というテンプレ(?)的な起こし方はしない。 「…………。」 ただ無言でこちらを見るだけだ。 このままだと永遠にこの状態が続くので、俺の方から話し掛ける。 「おはよう、姉さん。」 「お腹空いたわ。」 「分かった、今から作るから。」 「…………。」 彼女はそれだけ言い残すと、部屋から出ていってしまう。 本当だったら姉が料理を作りそうなものだが、彼女の家庭スキルは見事なまでに壊滅的なのだ。 出来ることと言ったら掃除だけ。 いや、まぁ適当に箒で掃くものだから逆に散らかることが殆んどだが。
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