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そして、温厚なカレは声を荒げた事も一度だけ。
それも、優しい文句。
「なんで嫌だって言わないの?
嫌な事、いっぱいあるでしょ?」
と聞いた時。
「俺が我慢すればお前が楽しいならそれでいいんだ。」
と、答えてくれた。
普通なら、なんて良い人なんだろうって思う所だろう。
でも、私は
「それであなたの人生は楽しいの?幸せなの?
いっつも私の我儘ばっかりで
別れた方が幸せになれるんじゃない?」
と続けた。
正直、何でも思い通りになる事に飽き始めていた。
この喧嘩も、カレに嫌われようと思ってふっかけた。
こんないい人、他にはいないって思いながらも…。
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