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「あともうちょっとだよ、麻奈」
二人の体力はほぼ限界に近かった。
『よぉ~ん』
「ハァハァ、屋上だー!」
瞳は屋上のドアを勢いよく開けた。
「『指切り人形』は?」
あの恐ろしく不気味な声が聞こえない。安心すると
『私…と……遊ぼー?』
ハッとして振り返ると『指切り人形』が居た。
「な、何なのよー!」
瞳は狂ったように『指切り人形』に向かって携帯をぶつけた。
「ひ、瞳ちゃん!」
『…さない……許さない』
急に『指切り人形』の様子が変わった。
「な、何?様子がおかしい」
『指切り人形』は目や口から血を流していた。
「き、気持ち悪い」
『……んで?』
今、『指切り人形』が何て言ったのか小さい声で聞き取れなかった。
「ね、ねぇ!何て言ったか分かる?」
麻奈が瞳の方を見ると瞳は真っ赤な血を身体中から流して倒れていた。
「き、きゃああああ」
麻奈は力なく地面に座り込んだ。
「こ、うなるから…だから立ち入り禁止なんだ」
瞳の身体の上に乗って包丁で刺し続ける『指切り人形』の動きが止まる。
「た、助けて……誰か…助けてー」
『フフッ……私と…遊ぼ
ー?』
『グチョ』
次の日、二人の死体が屋上で発見されたそうだ。
身体を何十カ所も刺されて。
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