序章~黒山羊軍・安息~

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―アネッサ、黒山羊拠点― ニコル 「帰還した」 ティディ 「ああ。またやったようだなニコル。お前の隊は期待通りの成果をあげてくれる」 ニコル 「…疲れた。副隊長さん、何か食うものないか?」 ティディ 「乾パンでいいか?ならあるぞ」 ニコル 「もらう」 ティディ 「ほらよ。そろそろリーニャの部隊も帰ってくるんじゃないか?」 ニコル 「あいつの部隊は何しに行ったんだ?」 ティディ 「俺はあっちの担当じゃないからわからん。魔導士部隊など数が限られてると言うのに、何にそんな動員してるのか」 ニコル 「魔石云々じゃないのか?あれ1つで戦況が変わるからな」 ティディ 「魔石なぁ。いつからだったかなぁ魔導士の生成が始まったのは…」 ニコル 「……俺が知るか。俺が来る前から出来てたんだろ」 ティディ 「ああ。人間の体に魔法の力を注入する…人体への副作用もあるらしいが…力を取るか人体への影響を拒むか…。このご時世、究極な選択だな」 ニコル 「俺はゴメンだな。リーニャを見れば不便極まりない」 ティディ 「確かに体力はかなり劣っているが、魔導士としてのセンスはあるだろう」 ニコル 「でなければ、あいつほどの体力のやつが小隊隊長までのぼれるわけないだろ。魔導注入の副作用は個人差で違うらしいし」 リーニャ 「あんたも小隊隊長でしょーよ、何上から目線で言ってるの?」 ティディ 「帰ってきたか。お疲れ様だな」 リーニャ 「ほんとよー。帰ってきたらどっかの誰かさんが馬鹿にしてくるし。体力なくても魔力はあるわよ」 ニコル 「わかってますよ、うるさいな」 リーニャ 「やな奴ねー。あ、ティディ、一般兵の軍は遠征に行ってたの?」 ティディ 「ああ。というより、逆に守りに行ったんだがな。また攻めてきたんで、追い返した。こいつの隊が」 リーニャ 「ニコルの?あんたも優秀よねーなんで昇格しないの?こんだけ連続で手柄あげてるんじゃあ…」 ニコル 「…俺が断った」 ニコルは部屋を去った リーニャ 「あいっかわらず無愛想ねー」 ティディ 「最初は口すら聞かなかったんだ、こう話せるだけでもいいじゃないか」 リーニャ 「まぁねー」
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