序章~黒山羊軍・安息~

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リーニャ 「とりあえず小皿に分けたげるから」 ニコル 「お前は俺の母親か」 リーニャ 「姉と思いなさい。どうぞ」 ニコル 「どうも。つかお前が姉とか家庭崩壊しそうだな」 リーニャ 「失礼ね、そんな酷くはないわよ」 ティディ 「料理とかできるのか?」 リーニャ 「お、お菓子ぐらいなら…」 ニコル 「なんだ、台所に立ったことあるのか」 リーニャ 「家じゃないけどねー。召し使いさんが許してくれないからたまに家抜け出して友達んちで。家抜けて軍人やってる方がどんな自由かって」 ティディ 「ははは。そんな生活俺には性が合わないな」 リーニャ 「あんたら二人は普通の農家だったもんねー」 ニコル 「ほんとに普通だけどな。芋がメインで、あとは大根とみかんとか」 リーニャ 「みかんは外さないのね」 ニコル 「小さい頃にイタズラで植えたら立派になった」 リーニャ 「あんたにもそんな無邪気な時代があったのね。てか食べるの早いわよ、おかわりはないからね」 ニコル 「俺は戦闘部隊で直接剣持って戦ってる側だぞ。お前よりも疲れるんだ」 リーニャ 「悪かったわね後衛で。文句ならそこの副隊長さんに」 ティディ 「俺かよ。巻き込まんでくれ」 リーニャ 「薄情ねー」 ニコル 「ごちそうさま」 リーニャ 「あれ、もういいの?」 ニコル 「いいもなにもおかわりないって言ってたろが。部屋戻って休む」 ティディ 「そうしろ、しっかり休めとけ」 リーニャ 「そうねー。うん、おやすみニコル」 ニコル 「ああ」 ニコルは食堂を出た ティディ 「よく話すようになったじゃないか」 リーニャ 「憎たらしいぐらいにね」 (冗談ぽく)
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