9人が本棚に入れています
本棚に追加
「この強欲のグリード様…を…っ……ぉ…いっ…!」
「ぐ、グリード!?」
急に苦しみ出したグリード。
あ……!まさか……
「お…い……っ!いいかげ…んに……いいかげんにしろグリードッ!!」
『ちっ、いいとこで起きやがって。』
目付きが変わった。リンに代わったんだ。
「お前、杏奈に何やってんダ!!」
『何って、欲しくなったんだよ。お前のモンが。』
「お前、やっぱリ…!!」
「リ……ン…?」
「あ…、杏奈!!大丈夫カ!?」
「だ、大丈夫…!」
必死の形相であたしの肩を掴んで問う。
「ごめんナ、杏奈。怖かっただロ…。」
優しくあたしを抱きしめる。
温かくて落ち着いた。
「………う…ん。ありがと…。」
だけど、
残ったのは怖かったとか、なんかそういう気持ちじゃなくて。
『俺を選べ。』
……~っ…何であんな顔して言うのよ…!
真夜中の月が
あたしたちを照らす。
最初のコメントを投稿しよう!