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「…………ん…」
窓から射し込む日差しが眩しい。
……どうやら昨日は書類整理をしながら寝てしまっていたらしい。
頬を触ると涙の跡が残っていた。
あんなにヘラヘラしながら好きと言われてるのに、
それにすっかりはまってしまっているあたしはどんだけ重症なんだろう。
ばっ!と、
急に日差しが遮られた。
「杏奈!おはよウ!」
「…!?」
まるで何もなかったようにリンが窓から入ってきた。
「あれ?どうかしたのカ?あー、昨日の!もう気にしてないヨ!
なんたっテ、俺はシンの皇帝になる器の大きい男だからネ!」
あたしの心配なんて全て無駄だったというように、
いつものようにヘラヘラしながら言ってくる。
本当に何を考えてるのかわからない。
「俺はいつでも杏奈のことばかり考えてるヨ。」
「なん…!?」
「だって何考えてるかわかんないみたいな顔してたヨ~。……それト、」
「きゃ!?」
窓から降りたリンに急に腕を掴まれ、引き寄せられる。
………顔が…近い。
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