~第1音節~

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音楽室を出て、自分の教室に向かう。 これでもう、自分から音楽室に赴くなんて事はないだろう…と思いながら深いため息をつく。 ピアノなんて何年も弾いていないのに… 小学生の頃の僕は、音楽界では有名だったから…。 先生があぁ言って期待するのは無理もないか…。 だけど…今の僕には関係ない。 過去の話を引っ張りださないで欲しい。 そんな事を考えながら、ふと開いていた廊下の窓から校庭を見やった。 すると…なにやら走り寄ってくる影。 …嫌な予感しかしない。 僕の嫌な予感はだいたい当たる。 そう…今だって。 「あぁ!?危なぁ-い!!。」 ――ガツン―――バタッ。 …僕は野球ボールに人生の終止符を打たれるのだろうか。 そんな事を思いながら意識を手放した…。 .
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