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「あっはっはは!!海斗ぉ、爆笑だぜ!!普通なら避けれるだろ-が!!」
「ダメだょ、夕夜。笑っちゃ。海斗は運動音痴だから仕方ないって。ぷッ…あははっ!!」
「ククッ、お前だって笑ってるじゃんよ-、華音。」
「…冷やかしに来たなら帰ってくれないかな?2人とも。」
「「あ!!起きた。」」
…誰だってあれだけ騒がれれば起きると思う。
フォローしようとして逆に僕を傷付けている華音。
その横で大爆笑している、空遠 夕夜(タカトオ ユウヤ)。
夕夜は僕の中学校からの親友で、華音と同様、運動神経抜群。
またその容姿も合わさって、女子のアイドル的存在となっている。
聞いた話によると、さっきは野球の試合で夕夜が強烈なヒットを打ったらしく、それを捕ろうと走った華音。
その先には開いた窓があり、そこには僕がいて…飛んできたボールが頭に直撃したらしい。
「だから、危ないって言ったのにさぁ-!!」
「華音。海斗に反射を求めるのは無理だ。きっと…こいつには反射神経がない。」
「そんな事があるもんか!!反射が無いなんて、人間としての危機回避能力が乏し過ぎでしょ!!」
…僕の必死の訴えも流され、"無事ならいいや-"…と呑気にお茶を飲んでいる2人。
…ここ、保健室だょね?
お茶…飲んでる……?
頭を打った後遺症か、幻覚が見えているみたいだ。
お茶菓子まで見えてきた…。
「海斗も食べるか?ほい。」
「…………。」
…やけにリアルな幻覚だ。
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