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逃げ続けた。
行き着いた先に、一人の優しげな外国人男性がいた。彼は大金持ちで、身寄りの無い二人を引き取ってくれると言ってきた。
しかし、たどり着いた先は、見知らぬ船の中。狭い部屋。
周囲の話し声で分かった。その大金持ちは、身寄りの無い子供を保護する名目で裏世界の業者に売り飛ばして、どこかも分からぬ場所での過酷な労働をさせることで私腹を肥やしている大悪人だと言うことが。
裏切り。
そうだ、誰も信じるべきではなかったのだ。
自分を裏切った男に復讐しようとも考えた。
しかし、この船には乗っていない。業者の船はそれほど大きくなく古い、乗っている人数もそれほど多くないだろう。
見張りの人間は銃を持っている。
対してこちらは生身だ、逃げることなどできやしない。
だが、船が出港してから間もなく、原因不明の爆発が船の格納庫で起こり、二人は冷たい海に投げ出された。
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