信じぬ者の憂鬱、信じる者の幸福

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駅のホーム、乗り損ねた電車など遥か彼方、通勤ラッシュの過ぎたそこは閑散としていた。あれだけ急いだにも関わらずだ。備え付けのベンチにドッと腰を落とし、深い深い溜め息をついた。次の電車まで30分程ある。腹が鳴る。 「・・・コーヒーでも飲むか」 カフェオレ系の甘ったるいやつでも。 自販機がすぐ近くにあったので財布を出した。お札がなかった、しかも10円玉が十枚弱のみ・・・手のひらに全て出し、自販機に投入していく。最後の一枚を入れたとき、ギリギリで・・・一枚足りなかった。 その場に崩れ落ちそうになった瞬間、横から10円玉を入れて飲み物を買い手渡してくれた人物がいた。
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