信じぬ者の憂鬱、信じる者の幸福

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「やっと来たな」 無理して飲み終わった頃電車が来るのが見えた。と不意に向かいのホームに猫が歩いているのを見つけた。「わぁ、可愛いですね」 彼女がそう言った瞬間、嫌な予感が走った。線路にたむろっていた雀に照準を向けている。気付いたときには遅かった。雀に飛びかかる猫、危うく飛び立ち逃げていく雀、取り残された猫は向かってくる電車に遅れて気付く。そして固まったように動けない。 「ばっ」 かやろう、と口にできずに俺は戸惑った。今から降りて助けられるか?間に合うか?考えた瞬間視界の横から人が線路に降りていた。
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