プロローグ

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 「……ん?」  気が付くと、俺は見慣れない場所に倒れていた。 “見慣れない”けれども、その場所の雰囲気から俺がとんでもない場所に居るってコトはよく分かる。  西洋的な建物の中…テレビなんかでよく紹介される、お城の内部らしい造りの広い部屋の中に俺は居た。 …ここまでなら、まだ醒めきらない頭を働かせて状況を整理する余裕もあるんだが…この部屋の内部の殺伐とした光景を見る限り、それどころでは無さそうだ。  部屋のところどころが壊され、何処かで何かが燃えているらしい煙が辺りに漂い…さらに何人か、鎧を身に着けた人が倒れていて……。 部屋の外からは大勢の人らしきものが上げる雄叫びや、何かが爆発するような音、何か金属同士がぶつかり合うような音が聞こえて来たりなんかしている。  映画の撮影現場に転がり込んだんじゃあ無ければ、思い付く事は一つしかない。 ――戦場の真っ只中――  何故こんな場所に俺が倒れていたのか?などとゆっくり考える余裕なんて無い事は、頭の悪い自分にも簡単に考え付く。 ぐずぐずしていたら、自分も倒れている兵士達の仲間入りをしてしまう。 (…まずは何処かに隠れなきゃ…)
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