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「お待たせー!
ごめんね、待ったでしょう?」
「いや、5分位前に来たばっかだから」
と言いながら、実は余りに楽しみで、1時間以上前に着いてたりする。
今日は待ちに待った、美好とのデートの日だ。
「さ、行こうぜ。
せっかくのデート、1分でも無駄にしたくないからな」
「うん!」
俺は美好の手を引いて、共に目的地へと向かっていく。ちなみに美好の行きたい所をと思ったので、今回は彼女にプランを任せた。
「最初は洋服店か、何を見るんだ?」
「うん、パーティーで使える衣装があったらいいなって思って」
「あ、本当にその用足しみたいな感じなんだな」
「まあついでにね。
第一の目的は、幸生くんとのデートだよ」
美好はそう言うと、俺の腕に自分のそれを絡めてくる。
「そうか。それなら絶対、楽しいデートにしなくちゃな」
「うん!」
底抜けの美好の笑顔と共に、俺は目的地への道を進んでいく。
……
「ねえねえ幸生くん、これなんてどう?」
「……パーティーで着るんだとしたら、俺は賛成できないな」
何せそれは、胸元が開いていてスカートの短い、かなりきわどい衣装なのだ。
「え~、なんで~?
可愛いと思うんだけどなあ」
「だから余計だよ。
他の男に美好のそういう姿は見せたくない」
「幸生くん……」
「ま、彼氏としては度量の狭い意見だと思うけど」
「ううん、そんな事ない。それだけ私を大切に思ってくれてるって事だもん。
そしたらこれを着るのは、幸生くんの前だけにするね」
「あ、結局買うのは決定なんだな」
「だって幸生くん、この衣装可愛いって思ってるんでしょ?だからプライベート、2人きりでいるときにね」
「美好……」
なんて可愛い奴だ、人目もはばからず抱きしめたくなったぞ。
「それじゃあ、別の衣装を見てみなくちゃ」
「あ、ああ、そうだな」
俺は気持ちを切り替えて、美好のパーティー用の衣装を一緒に見繕っていく。
……
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