第四章

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しばらくすると女将さんが出てきた。 「梓はん可愛いから時間かけてしもうた!すみませんねぇ…」 「あ。大丈夫です。女将さん。」 「女将さん!?…やめてぇなぁ。そないな親しみのない呼び方。 私はハツいうねん。よろしゅうたのんます。」 「ハツさん…よろしくお願いします。」 親しみやすそうな方だなぁ…本当に。 「梓はん、どれがいい? …私的には桃色や薄い赤とかが似合いそうやけど…」 …桃色や赤かぁ… 可愛いなぁ…! 「いや…薄い青じゃねぇか?」 え?土方さん? 「土方はん、どうせなら紫でもいいと思いませんか?」 「紫はなぁ…少し大人っぽく見えてしまうし…」 「そうねぇ…あ。なら、薄い紫…いや白と薄い紫はどうでしょうか?」 「そうだなぁ…。…お。この色はどうだ?」 「そうですねぇ!」 あのぉ… …二人とも…私を無視してませんか…? 「………」 … 私は盛り上がっている二人を無視して、店内を見渡した。 …すごいなぁ…本当に綺麗… … あ…。 「ハツさん…」 「なんでしょう?あ。すいません。土方はんと二人だけで悩んでしまい…」 「いえ。…それより…あの黒い着物を見せていただけませんか?」 私は、とてつもなく惹かれた着物を指した。 「は…はい…」
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